TB1eを発売前にちょっと斜めに見てみる

五輪特需か?とわざわざ書かれる

ブリヂストンサイクルからTB1eとして新しい電動アシスト自転車が発売される。

このバイク、走りながら自動充電。ブリヂストンの電動クロスバイク、誕生。航続距離最大200kmを実現。走行性能と日常での実用性を兼ね備えた電動クロスバイクです。

既にいくつかのショップでは予約が始まっているようだ。
今回の発売にあたって某新聞のニュースサイトでは“五輪渋滞で特需”狙う?とか疑問符付きで書かれてしまっている。
特需狙いと書かれるのにも理由が仕方がない。ブリヂストンサイクルでは今までスピードタイプの電動クロスバイクを発売したことが無いからだ。
フロントサスペンション搭載タイプのリアルストリームは以前からあったが、これはいわゆるMTBタイプのクロスバイクで高速性を重視するスピードタイプではない。
いったい何故、今になってスピードタイプのクロスバイクを発売したのだろうか?

そもそも、電動アシストやE-bikeは10km/hまでは脚力の2倍の力が出せるがそれ以上のスピードになると徐々にアシスト力が弱まり、20km/hでは脚力の約30%程度にまで弱まり24km/hでアシストが無くなる規制がある。

つまり、速くなればなるほど電動アシストの意義は薄れてしまうのだ。

それにもかかわらず「そんなの関係ねぇ」とばかりに新型車を大々的に発表したのには
このところE-BIKEが話題をさらったり、パナソニックがベロスターを発売してそこそこ人気を博しているのと関係あるのだろう。
更に、一時期大流行りしたロードバイクの影響で東京都心部ではロードバイク/クロスバイクは日常的に見られるようになっており、以前のように珍しいものとは言えなくなってきている。
ダメ押しに東京2020オリンピックが控えており、開幕に合わせて満を持した形で新型車を発売するのも自然な流れなのかもしれない。

でもちょっと待ってほしい。今まで大手メーカーであるブリヂストンが発売してこなかったということは
電動アシストスポーツやE-BIKEって必要性あるのか?
という疑問が出てきてしまう。

電動アシストクロスバイクやE-BIKEには意味が無い?

繰り返しになるが、速度が上がるほどアシスト力が弱まる関係上、ある一定レベルでのE-BIKEやスポーツ電動アシストの意味が薄れてしまうのは事実だ。
じゃあ、ある程度脚力がある人がわざわざスポーツ電動アシストやE-BIKEを持つ意味ってどんなところだろうか?

  1. 荷物を積む必要がある。
    • これは判りやすい。子乗せ電動アシストや、重量物を積むカーゴバイクに電動はよく使われている。カーゴバイクでなくともカゴやキャリアを付けて日常的に買い物をするのであればアシストはあった方がありがたい。
  2. 坂が多い
    • アップダウンの多い地域ではクロスバイクよりは電動アシストの方が利便性は高い。
    • 仮に脚力がある人でも平坦はともかく坂道はPWR(パワーウェイトレシオ)が重要になってくるので・・・。
  3. ストップアンドゴーが多い
    • ゼロ発進が多ければ多いほど電動アシストのありがたみは増してくる。最も力を必要とするスプリント/ゼロ発進でアシストしてもらい、巡行はそこそこのスピードにとどめておこうという発想だ。実際、信号の流れが悪くてせっかく漕ぎ出しても次の信号で止まってしまい、無駄に疲れるというのはよくあることだ。

ここまで来て、ようやく市街地特化型電動アシストクロスバイクの必要性があるかな~?と思えてくる。

WEBレビューを眺めてみる。

メディアとのタイアップだろうがいくつかレビューが挙がっており、おおむね好感度が高いようだ。

通勤自転車の最適解

ブリヂストンサイクルから12月11日に発表されたTB1eは、通勤や通学、休日のサイクリングなど、普段づかいに特化した電動クロスバイクです。日常的に自転車通勤をしている自転車系ライターが、発売前のTB1eを通勤バイクとして使用してみました。 【今回紹介する製品】ブリヂストンサイクルTB1e(...

通勤自転車として乗ってみた。

ブリヂストンサイクルから登場した電動アシスト付き自転車「TB1e」。最大130㎞の航続距離、シティライドに便利なパーツや機能を装備して、日常のライドを楽しく快適にしてくれる電動クロスバイクです。まさに自転車通勤に最適なこのTB1eを、Get Navi編集部員が実走テスト。通勤や休日のライドなど日々の...

こちらはツーリングもできるよ!バッテリーこんなに余るよ!とばかりに130km走っちゃっているが
よくよく見てみると前半はともかく中盤から利根川サイクリングロードを巡行している。つまりほぼ人力(+平地回復充電)なので電池が消耗してないのである。

ブリヂストン電動クロスバイク「TB1e」で、新宿2丁目〜銚子チャレンジ!

な~んだ、それなら他の電動アシストと一緒じゃんと思えるがそれだけでもないTB1eならではのうまみも一応ある。
例えば2日以上の早朝、もしくは夜を含むキャンプツーリングみたいなシチュエーションでも電池を温存(もしくは再充電)しつつ走り続けることも(脚力次第で)可能だからだ。
ライト分の電力は脚力で稼ぐ!みたいなノリで昼間の平坦や下りでキコキコ稼ぐわけである。
まさにツーリング/通勤向け仕様。USB充電機能もあればもっと捗りそうだが・・・。
サドルも普通のクロスバイクよりは快適性がありそうでロングライドに向いているといえるだろう。
惜しむらくは標準装備のグリップがエルゴタイプで無いことだろうか。

つづく

前回「TB1eを発売前にちょっと斜めに見てみる」から少し掘り進んで、 電動アシストスポーツ自転車やE-BIKEを乗るための理由をも...

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コメント

  1. a より:

    とても急な下り坂があるとき、普通の自転車だとスピードが出過ぎてしまうので回生充電でスピードを落とすという意味があるかもしれません
    普通の自転車だとブレーキをかけることになってしまって、熱としてエネルギーを捨ててしまいますが、TB1eなら無駄にせず充電できるので…

  2. tuna より:

    TB1eの回生充電が果たしてどのくらい効果があるのか?
    正直なところ使ったことが無いのでわからないですが、通勤需要として両輪駆動と一般の自転車と同サイズのタイヤには意味があるとは思います。雨や多少のみぞれ交じりでも安定して走れ、700×23cの様にちょっとした溝でも気を使うということが無く、ヘビーデューティーに使えます。