普通の人が自転車を走らせたら
ここから、パワーメーターから実走行へ思考を変えてみる。
もし、自転車経験のあまりない(もしくはママチャリ程度しか乗ったことがない)人の場合どのくらいのFTPになるのだろう?
上記のサイトにパワープロフィール一覧表があるので見てみると65kgの男性、トレーニング経験なしだと127〜168wの間になるらしい。真ん中を取って150w位がちょうどいいところだろうか。
これを元にこちらのサイトで必要な出力を計算してみることにする。
自転車はキャリアとパニアバッグが付いているという想定で13kg,衣服とヘルメットで2kg,5kgの荷物を積んでいるという設定だ。
クロスバイク扱いにしたいが、ちょうどいい数値がないのでMTBのスリックということにしておく。
一方バスは
少し古いがこちらの資料によると都内の路線バスの表定速度は11~12km程度となっている。
恐らく、信号待ちを考慮した場合の自転車と同じ程度の速さなのではないかと思う。(希望的観測)
ただ、これには停留所でのバス待ち時間が加味されていない。バス停までの移動時間、降りた後の移動時間、自転車と違ってルートを選べない不便さまで考えると交通機関としてのバスは自転車に負けてるか、どっこいどっこいになってしまう。
自転車は汗をかくという問題点もあるがその一方で有酸素運動として健康増進に貢献できるという利点もあり、折衷策として電動アシストを利用するという選択肢もある。巡航速度20km/hなら必要なパワーの最大3割はアシストしてくれるので普通の自転車ではちょっとつらいという人でも楽々と走ることができる。
そしてシェアサイクル
都内ではハローサイクリングとドコモバイクシェアの2つのシェアサイクルがしのぎを削っている。
ドコモバイクシェアは料金体系に法人プラン(月4000円乗り放題)、月額プラン(月2000円、30分まで無料)があり、明らかに通勤を意識している。
ハローサイクリングも丸1日だと1000円となるが片道30分の道のりなら往復でも1時間、240円となり、20日の通勤では4800円とバスよりも遥かに割安になる。(事業者によって差異はある。)
車両を選べないこと。(壊れている、空気が入っていない等のトラブル)
バッテリーの状態が実車を直接確認するまでわからないこと。
通勤として利用するにはまだ、ポートの数と位置に問題があること。
使用後は再びポートに戻さなければならないこと(法人プランがあるなら帰りも同じ自転車で帰るということも不可能ではないが)
そもそも車両がポートに無い可能性があるといったところだろうか。(ハローサイクリングでは事前確認、予約が可能)メーカーもIOT化に熱心であり、問題のうちいくつかは数年のうちに改善されるかもしれない。
MaaSに向けて?
結局のところ利用者サイドから見るMaaSとは電車や地下鉄、バス、タクシーやライドシェア、シェアサイクルに至るまでリアルタイム、シームレスに繋がるルート検索なのだと勝手に解釈している。
シェアサイクルのポート位置、台数、バッテリー容量、降車ポート、あるいは乗ったままでの利用を前提とした所有時間、料金の計算が瞬時に出てくるようになれば
都内ラストワンマイルの攻防で、シェアサイクルが斜陽産業の代表ともいえるバスからさらに顧客を奪う可能性は高くなる。
ただ、そもそもあまりもうからない分野であり、最悪その前に撤退の可能性もあるかもしれない。